ほうかいのじゅもん

写真を中心に、その他趣味のことなど、気ままに綴るブログです。

猫島 part1


猫島、
それは慌ただしい日常に疲れた現代人にとっての桃源郷――



田代島(猫島)とは



宮城県石巻市三陸沖に位置する、田代島
仮面ライダーの作者でもある石ノ森章太郎氏が生前、「いつか田代島に住みたい」と発言していたことをきっかけに「マンガ島」などと呼ばれることもあるようですが、それ以上によく知られるのは、ここが日本有数の猫島であるということでしょう(=ФωФ=)

島の人口よりも猫の数の方が多い「猫島」。
百匹を超えるという猫が住んでいる一方、人の方は震災後にさらに減少し、今では30人ほどまで減ってしまったそう(島のおばあちゃん談)。
そんな田代島には、全国各地から猫好きな観光客が集まってきます。
11月中旬のよく晴れた平日、休暇中の僕も、カメラ片手に仙石線とフェリーに揺られ、この田代島を訪れることにしました。

ちなみに偶然ですが、ちょうど僕が訪れた頃に、外国人監督がこの田代島を取材したドキュメンタリーがAmazon Prime Videoの見放題対象となっていました。
猫メインというよりは、島での生活にフォーカスした内容。こちらからも、田代島の魅力が十分に伝わると思います。Prime Videoが見られる方はぜひ。
島民のじいちゃんばあちゃんが訛り全開で、東北出身でない方は標準語字幕が欲しくなるかもしれませんがw



田代島への行き方


まず注意しなければならないのは、田代島行きのフェリーは本数が多くありません。
2018年11月現在、石巻市街→田代島を結ぶ地島ラインは、9時、12時、15時半の3便だけ。
それも、15時半の便に乗るとその日は帰ってくることができず、12時の便に乗ると島での滞在時間が2時間程度しかとれないため、日帰り観光をしようとする場合、事実上9時のフェリー便の一択となります。
(最新のダイヤ等は、網地島ラインのWebページから確認してください)

仙台駅から石巻駅までは、仙石線快速で1時間ほど。(各停は1時間半ほど)
石巻駅前からフェリー乗り場まではバスを使うことになりますが、こちらのバスも、1日に3便程度しかありません。しかしダイヤは、おそらくフェリーの時刻に合わせてくれているようです。8時半頃のバスに乗れば、9時のフェリーに乗ることができます。
バス停は石巻駅の3番乗り場…と事前に調べて行ったのですが、僕が訪れた際は2番乗り場になっていました。
ダイヤ改正等で変わるのかもしれません。心配な方は、石巻駅を出て左手にバス案内所があるので、そちらで確認すると良いでしょう。

バスに揺られて15分ほど、降りるバス停は「門脇二丁目」。その前に別の「○○二丁目」というバス停がありますが間違えて降りないようにしてください。運賃は280円。Suica等は使えないので、乗っている間に小銭を握りしめておきましょう。
そこから海岸沿いに少し歩いて、フェリー乗り場へ向かいます。バス停で降りたら道路を渡り、突き当たりの海までまっすぐ歩いてから、右手に曲がりましょう。そのまま進み、フェリー乗り場まで辿り着ければ、ひとまず安心です。
あとはフェリーに乗って50分ほどで、田代島の「仁斗田」港へ到着します。(その前に田代島の「大泊」にも止まりますが、観光目的であれば「仁斗田」で下船が良いようです)

……と、このように、かなり丁寧に交通案内を書きました。
というのも、ここは田舎特有と言いますか、フェリー乗り場にたどり着くまでに初見殺し要素が多すぎて、ひとつしくじると、その日は田代島に行けなくなって詰む可能性すらあります。
都会の利便性に慣れた現代人が、何も下調べせずにただ猫チャンに癒されようとして場当たり的に動くと、痛い目を見ることになってしまうのです。
猫島を楽しみに遠方から来る方が、そんな目に遭ってしまうのは宮城県出身者としては忍びないので、せめてこの場では詳しめに経路を紹介してみました。「田代島 行き方」でググってこのブログに辿り着いた方は、よろしければ参考にしてください。
もちろん、ここに書かれた情報が最新とは限りません。田代島観光を予定されている方は、ご自身で最新ダイヤをご確認の上で、時間に余裕をもって行動するようにしましょう。
もっとも、平日ではありましたが、朝の駅前にはタクシーも数台いたので、最悪バスを逃してもなんとかなります。たぶん。

ちなみに、帰りのバスについて。
田代島を14:12に出るフェリーに乗れば、石巻到着後すぐに、同じバス停から石巻駅行きのバスがあります。ダイヤ通りならば、フェリー→バスの乗り換え時間は10分ほど。
田代島を15:26に出るフェリーに乗った場合は、バスへの乗り継ぎに30分ほど時間があるので、フェリー乗り場の建物の中あたりで少し待つことになるでしょう。(※ いずれも2018年11月時点の情報です)
行きで降りたのと同じバス停から乗ることになるので、朝の下車時にバス停時刻表を写メっておくと良いかもしれません。
フェリーが石巻に到着する時刻に合わせて、フェリー降り場で数台のタクシーが待機していたので、駅までタクシーを使うこともできます。

もともと田代島は観光向けに開かれた島ではありません。このような不便さが伴った旅もまた、楽しいものです。



猫島に到着!


さてさて、かなり前置きが長くなってしまいました。
仁斗田港で降りて歩いていくと、すぐにこんな看板がお出迎え。なんとなく「TRICK」の怪しい村の看板感がありますが、これが現実の猫島だ!

とは言え、まぁ猫大量発生スポットに辿り着くまではそこそこ歩く必要あるんでしょ? そんな都合よく道端に野良猫が佇んでるわけないしねぇ?




って、いたーーーーーー!!!!





先ほどの「←多い ネコ」の方に進んで1分後、いきなり第一島野良猫を発見してしまいました。
この幸先の良さはかなり期待できます。ていうかね、ぶっちゃけ、船降りた瞬間から明らかに猫クサイんですよこの島。もう空気が猫と化してるんです。ちょっと何言ってるかわかんないですけど。



続々と現れる猫たち…!


途中に一度だけあった案内標識に従い、まずは猫神社なる場所を目指して歩いていると、次から次へと猫が現れます。





こやつは、先程紹介したドキュメンタリーの中でも紹介されていたチョビ髭ちゃん(♀)


てくてく道を歩いて、出現した猫にせっせとカメラを向ける……
この感じ、何かに似てると思ったら、アレだ、ポケモンGOです。

田代島内の道は基本的にアスファルトで舗装してあります。その両側には草木が生い茂っており、道を歩く感覚はまさに「RPGで初めてのマップを進む」のに近いです。そこに野生の猫が出現するのだから、もうこれはほぼ「ポケモン」と言っても過言ではありません。




そんな田代島、実際、ポケGOのポケストップやジムも充実しており(Ingressユーザーの功績でしょうか)、マジにポケモンGO片手に、景色と冒険の雰囲気を楽しみながら歩き、猫の写真を撮る」という最高すぎることができてしまいます。
訪れる人の数もそこまで多くない島なため、一度ジムにポケモンを置けばしばらく安泰。僕はせっかくなので、各所に自分の猫ポケモンを置いてきましたが、5日ほど帰宅せずに防衛し続けてくれました。



猫溜まり発見、案内された先は…


さらに歩いていると、猫の集会所を発見。
何かの倉庫小屋?がある周りに集まっていました。ネット上の田代島に関する記事を見るに、猫たちはこういった人工的な建物の近くでよく見ることができるようですね。餌がもらえると期待しているのでしょうか?

さてさて、猫たちに囲まれながらシャッターを切り、さらに一本道を進もうとすると……




ん?どうしたお前?





い、いや、いやいや、





近い近い近い!!www







と、ついてきた彼が立ち止まってポーズを決めてくれたのは、石巻市田代小学校跡地の前。
そっぽを向いているように見えて、目はこちらを見ながら「お、自分、良いカメラ持ってますやん。ほれ、ここでお座りしたらフォトジェニックやろ?」と訴えかけられている気がします。

こちらの小学校は、児童の減少で平成元年に閉校。
しかし、廃校となった跡地が、今では新しい姿に生まれ変わっていました。


Part2に続く!


撮影地:田代島
photos with
Canon EOS 6D Mark II /
 EF 50mm F1.4 USM
 EF 16-35mm F4L IS USM
 EF 70-200mm F4L IS USM